国運の衰退
究極の倫理的解決策
人文学部から脱却し、不正の根源である生物学そのものを社会的遺伝子工学によって変革しようとする運動が、ますます強まっていった。両性は常に苦しみ、さらに深刻なことに、文化産業が最も愚かな右翼の投票者にさえ明らかにした無数の方法で、互いに常に不正を働いているのだ
著者:連続痴漢者
罪のない世界。地上の快楽の園 - ヒエロニムス・ボス[オランダの画家] (出典)
世俗的知識人の間で広がっているトレンドは、性別そのものが問題だと主張していると夢で見た。人類の夜明けから、黒人と白人の間の差別問題[訳注:原文では比喩として使用]を解決できなかったことで、不道徳を引き起こし、常に全ての人々を苦しみか不正のどちらかに感染させてきた。これは構造的な問題なのだ。そのため、唯一の真の解決策は構造そのものを廃絶することであり、これはすでに広く合意されている事項となっている。確かに、色は見る人の目の中にしかないとか、黒は実は白であり、またはその逆(暗闇で見る場合や目を閉じる場合)といった様々な主張によって、概念的・観念的構造を廃絶しようとする試みは、社会的現実の試練に耐えられなかった。なぜなら、目に見えるものを無視するのは難しいからだ。そのため、人文学部から脱却し、不正の根源である生物学そのものを社会的遺伝子工学によって変革しようとする運動が、ますます強まっていった。そして、黒人と白人の代わりに、一つの人種、灰色の人間を作り出すことを目指した。

高齢になった著名な分析哲学者でさえ若い女子学生にセクハラを行っていたことが明らかになり、性的なジレンマから抜け出す方法が見つからなかった時、同様の理解に至った。不正の根源は性別そのもの、つまり男性と女性への分類にあり、これを変えない限り、あらゆる人間の言葉、思考、行動の下を掘り崩し、内側から道徳的に汚す性的不道徳を社会から根絶することは決してできないと。そのため、工学は統合された性を創造することによって、性別戦争に平和をもたらすことに取り組んだ。

両性は常に苦しみ、さらに深刻なことに、文化産業が最も愚かな右翼の投票者にさえ明らかにした無数の方法で、互いに常に不正を働いているのだ。そして、寿命が延びるにつれて科学的に証明されたように、全ての関係は長期的には本当に失敗する。男性が女性のように性的快感を得られないことは、男児の誕生における不正であり、女児が物象化された人生を送ることになるのは、女児の誕生における不正である。大きな胸は一種の苦しみ。小さな胸は別種の苦しみ。そして「胸」という言葉自体が不正なのだ。そのため、子どもを産むことは、残酷な生物学に対する反逆として、男性と女性の両方を含む無性の子孫を産む場合を除いて、非倫理的な行為なのである。

「生物学への反逆」は人文学部の戦闘スローガンとなり、すぐに政治にも浸透し、より単純なスローガン「差別撤廃」の下で広がった。憲法修正第何条か、あるいはおそらく憲法そのものが、全ての人間は平等に生まれたと定めているのだから、人には男性でも女性でもない存在として生まれる憲法上の権利があるはずだ。そして今こそ、平等の価値を実現できる日が来たのだ。文化は自然に優越するのだから。自然は邪悪で冷酷で、何より道徳を欠いているのだから。ならば、なぜ道徳を自分たちの手に取らないのか?

ついに、神が人間を創造する際に犯した原罪、つまりアダムの脇からイシャー[訳注:ヘブライ語で女性]を取り出し、イシュ[訳注:ヘブライ語で男性]にちなんで名付けたという不正を取り消すことができる。そして女性をアダムの中に、肋骨の中に戻すことができる。なぜなら、これはアダム、つまりアンドロギュノス[両性具有]と呼ばれるべきものだからだ。そして究極の倫理的解決策、ビーガニズムと環境運動と搾取の無限のジレンマの最終的な知的帰結は、人間[アダム]を大地[アダマ]から取り出したという不正を廃絶することなのだ。
夜の生活